サウナブームが到来し、幅広い世代の人がサウナを楽しんでいます。サウナ好きの人の中には、自宅にサウナを設置している人も少なくありません。
自宅サウナで人気を集めているのが、バイオエタノールを燃料としたサウナストーブです。バイオエタノールを燃料としたサウナストーブは煙が出ないため、マンションやアパートなどの賃貸住宅にも設置しやすいからです。
この記事では、バイオエタノールの特徴からメリット&デメリットまで、サウナストーブの燃料として大注目のバイオエタノールとは何かを詳しく解説します。
バイオエタノールとは?灯油や電気ストーブとの違い
バイオエタノールとは、そもそもどのようなものなのでしょうか? バイオエタノールの基礎知識をご説明します。
バイオエタノールとは?
バイオエタノールは、植物や動物などの生物資源(バイオマス)を原料として作られるエタノールです。主に、トウモロコシやサトウキビなどの植物を発酵させて製造されます。
近年、深刻な地球温暖化が問題となっていることをご存じでしょう。石炭や石油を原料とした化石燃料が、燃焼時に大量の二酸化炭素を排出することが、地球温暖化の一因となっています。
バイオエタノールが燃焼時に二酸化炭素を排出しないわけではありません。バイオエタノールも燃焼時に二酸化炭素を排出しますが、製造過程において植物は光合成によって二酸化炭素を吸収します。
燃焼時に排出する二酸化炭素は、吸収した二酸化炭素の再放出であるため、大気中の二酸化炭素の量が増えることにはならないのです。
そのため、バイオエタノールは環境に優しい燃料とされており、かつ持続可能なエネルギー源として、ストーブや車の燃料などさまざまな分野で活用されています。
ほかの燃料との違い
バイオエタノールと灯油や電気ストーブには、どのような違いがあるのかご説明します。
・灯油との違い
前述したとおり、バイオエタノールは、植物や動物などの生物資源(バイオマス)を原料として作られる再生可能燃料です。一方の灯油は、原油から精製される化石燃料です。
バイオエタノールが燃焼時に排出する二酸化炭素は、もともとは原料となる植物が吸収した二酸化炭素なので、燃焼しても大気中の二酸化炭素を増やすことにはなりません。一方、灯油を含む化石燃料は、燃焼時に大量の二酸化炭素や有害物質を排出するため、地球温暖化や大気汚染の一因となっています。
・電気ストーブとの違い
バイオストーブも電気ストーブも、燃焼時に煙が出ないため煙突などの設備が不要で、マンションやアパートなどの賃貸住宅にも設置しやすいことが共通点です。
電気ストーブは電気を使用するため操作も非常に簡単で、スイッチを入れるだけで使用できます。また、燃料の補充が不要で、メンテナンスが少ないメリットもあります。
バイオエタノールのよくある勘違い
バイオエタノールの存在を、バイオエタノール暖炉で知ったという人も多いでしょう。最近では、バイオエタノール暖炉が人気で、多くの人が手軽に暖炉を楽しめるようになりました。
バイオエタノールは、石油や石炭などのほかの燃料と比較してそれほど有名ではないため、特徴や性質を勘違いしている人も少なくありません。バイオエタノールによくある3つの誤解をご紹介します。
×安全ではない→〇安全
「バイオエタノールは安全ではない」という誤解がありますが、適切に使用すればバイオエタノールは安全です。しかし、バイオエタノールは純粋なアルコールであるため、誤って摂取すると非常に危険です。
家庭用燃料として販売されているバイオエタノールは、飲用できないように特定の化学物質を加えた「変性アルコール」として処理されています。味やにおいを悪くしているため、大人が誤って飲むことはないでしょう。ただし、子どもやペットに関しては誤飲のリスクがあるため、手の届かない場所に保管しなければなりません。
また、燃料を補充する際にはこぼさないように注意し、こぼれた場合はすぐに拭き取ることが重要です。バイオエタノールは可燃性が高く、引火する危険性があるため、できるだけ火気を避けましょう。
×二酸化炭素を排出しない→〇二酸化炭素を排出する
次に、「バイオエタノールは燃焼時に二酸化炭素を排出しない」という誤解もありますが、バイオエタノールは燃焼時に二酸化炭素を排出します。
ただし、バイオエタノールの主な原料は植物で、燃焼時に排出される二酸化炭素は植物が成長する過程で吸収したものとされるため、カーボンニュートラルと考えられています。
×無限に供給できる→〇無限に供給できるわけではない
最後が、「バイオエタノールは無限に供給できる」という誤解です。バイオエタノールは無限に供給できるわけではありません。
バイオエタノールの原料となる植物の栽培には、土地や水、肥料などの資源が必要で、これらの資源は有限です。また、バイオエタノールの原料となるトウモロコシなどの作物は、食料や飼料としても利用されるため、競合するリスクがあります。
バイオエタノールのメリット
自宅サウナのサウナストーブの種類で迷ったら、バイオエタノールのサウナストーブをおすすめします。
代表的な5つのメリットをご紹介します。
枯渇の心配が少ない
バイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビなどの植物から作られます。これらの植物は毎年収穫できるため、バイオエタノールは枯渇する心配が少ないことがメリットです。
地球上の有限な資源が原料の化石燃料は枯渇する心配がありますが、バイオエタノールは生産できるため、枯渇の心配は薄いといえます。
天候に左右されない
バイオエタノールはほかの再生可能エネルギーと比較して、天候に左右されないメリットがあります。
例えば、太陽光発電は雨ではエネルギーを作れず、風力発電は風がなければエネルギーを作れません。バイオエタノールは季節や天候に関係なく作ることが可能で、液体・固体・気体の状態で保存できるため、必要なときに必要な分だけ利用できます。
季節や天候に関係なく安定して供給できることが、バイオエタノールのメリットの一つです。
有害物質を排出しない
バイオエタノールは、燃焼時に一酸化炭素や有害物質を排出しません。そのため、バイオストーブを使用する場合、マンションやアパートのベランダはもちろん、室内でも使えます。
<h3>農業の活性化につながる</h3>
バイオエタノールの生産が進むと、原料となる作物の栽培が増えます。そうすると、農業従事者の収入が増えて、地域経済が活性化するでしょう。
特に、農業が主要産業の地域では、バイオエタノールの生産が経済的なメリットをもたらすことが期待されます。
幅広い用途に活用できる
バイオエタノールは幅広い用途に使える燃料です。車の燃料だけではなく、暖房や調理にも使えます。
化石燃料に依存しないエネルギー供給が可能になり、エネルギーの選択肢が広がります。
バイオエタノールのデメリット
多くのメリットがあるバイオエタノールですが、一方でデメリットも少なからずあります。メリットと併せてデメリットも確認しておきましょう。
コストが高い
バイオエタノールの生産には、かなりのコストがかかります。作物の栽培や収穫、発酵や蒸留といったプロセスに、多くのエネルギーと資源が必要だからです。
そのため、経済的に効率が悪く、化石燃料と比べるとコスト面で不利になることがあります。
さらに、バイオエタノールのエネルギー密度はガソリンよりも低いため、同じ量のエネルギーを得るにはより多くの燃料が必要です。密度が低い分だけ多くの燃料を必要とするため、燃料の消費量が増え、結果的にコストや供給の問題が発生することがあります。
森林破壊につながる、物価高騰の原因になるという説も
バイオエタノールを作るためには、原料となる作物を育てる新しい農地が必要です。農地を作るために森林が伐採されることがあり、森林破壊につながる可能性があるでしょう。
また、作物の需要が増加したり、食料生産用の農地と競合したりすることが、物価高騰の原因となる説もあります。
完全にカーボンニュートラルではない
バイオエタノールは環境に優しいといわれていますが、完全にカーボンニュートラルではありません。バイオエタノールを作るためには、作物の栽培や収穫、発酵や蒸留など、多くのステップが必要です。
バイオエタノールの入手は簡単!
自宅にバイオエタノールのサウナストーブを設置した場合、燃料となるバイオエタノールをどこで買えるのか気になる人も多いかと思います。イエサウナ専用バイオエタノール燃料は、イエサウナ公式サイトで購入可能です。
10リットル・20リットル・18リットル(一斗缶)を販売しており、18リットルはおよそ13~15時間分で、25~30回分使えます。
まとめ
自宅サウナには、環境にもやさしいバイオエタノール燃料のサウナストーブをおすすめします。バイオエタノールストーブは、燃焼時に煙が出ないため、マンションやアパートでも設置しやすいことが特徴です。
IESAUNA(イエサウナ)では、バイオストーブやテント、サウナストーンやファイヤーグローブなど、必要なアイテムを一式そろえたセットを販売しております。セットを購入すれば、すぐに自宅でサウナを楽しめますので、ぜひ一度IESAUNA(イエサウナ)公式サイトをチェックしてみてください。